脳が痛みを作り出す?~痛覚変調性疼痛(つうかくへんちょうせいとうつう)について~

🌟 こんな経験、聞いたことありませんか?
「腰が痛くて病院に行ったら、”脳や神経の問題”と言われた」——実はこれ、最新の医学では十分ありえることなんです。
今回は、患者さんから質問のあった慢性の痛みのしくみについてわかりやすくお伝えします。

🙋 患者さんの疑問

知人が腰痛で病院に行ったところ、「痛みは腰ではなく頭から来ている」と言われ、心療内科を紹介されました。そこで処方された薬を飲んだら痛みが引いたのですが……そんなことが本当にあるのでしょうか?

✅ はい、あります  その理由を3ステップで解説します。

1、腰の痛み

ケガや姿勢の問題などで腰に痛みが起こります。これは普通の「侵害受容性疼痛」です。

腰そのものが痛むという事です。

2、3ヶ月で慢性化する

痛みが長引くと、脳の「DLPFC(背外側前頭前野)」という部位が過剰に興奮し始める事があります。脳自体が変化してしまうのです。

3、脳が過敏になる

長患い(3ヶ月以上)すると脳が「痛みモード」になります。

腰が治っても、脳が勝手に痛みのシグナルを出し続けます。これが「痛覚変調性疼痛」(2021年提唱)です。

🖊痛覚変調性疼痛とは?

IASP(国際疼痛学会)が2017年に「nociplastic pain」を承認しました。

日本では当初「非器質性疼痛」という名称でしたが、2021年に「痛覚変調性疼痛」に変更されました。

💊 治療に使われるお薬

脳に働きかける薬が有効です

サインバルタ(抗うつ薬)トラムセット(鎮痛薬)リリカ(神経障害性疼痛治療薬)

⚠️「抗うつ薬」と聞くと驚くかもしれませんが、これらは痛みを感じる神経の働きを整えるお薬です。
うつ病の治療とは別の目的で使われますので、ご安心ください。

📌 まとめ

🧠 痛みは脳で感じる体の問題が解決しても、脳が「慢性モード」になっていると痛みが続くことがあります。

🕐 早めの対処が大切痛みが3か月以上続く場合は、脳へ影響している可能性があります。専門家への相談を検討しましょう。

🏥 参考文献

慢性痛のサイエンス(第2版) 脳からみた痛みの機序と治療戦略