交通事故後のめまい

【症例】

めまい

1年前に交通事故にあい、その後首の違和感が取れず最近はめまいがしてきた。

 

この方は先ず病院を受診しました。

・救急→異常なし

・脳外科で頭部CT→異常なし

・耳鼻科で眼振や足踏みテスト→異常なし

めまいというと 脳の病気や「メニエール病」などを疑って脳外科や耳鼻科を最初に受診されると思います。

これはごもっともな選択です。

脳などに原因がある場合は取り返しのつかない事態に発展することもありますので、これらを除外しておく必要があります。

それでも異常が無ければあまり知られていませんが

「頚性めまい」

の可能性があります。

特に今回は交通事故の後から不調が起こったのでその可能性は十分にあります。

交通事故で衝撃を受けると最後の段階で頭蓋骨と一番上の頚椎にズレができて

はまりこんだ様になります。

そうなると今度は頭蓋骨と頚椎に着いている筋肉が緊張してきます。

緊張した筋肉が脳へ血液を送る椎骨動脈を圧迫して脳への血流を妨げ、

その結果がめまいが起きます。

※「大後頭神経」もまた筋肉に圧迫されて後頭部の頭痛を起こす場合もあります。

この様にして起こるめまいを「頚性めまい」と言います。

鍼治療や筋肉をほぐす治療、骨のズレを特殊な器具で矯正し改善しました。

頚性めまいの場合は「エプリー法」を行うとかえって悪化します。

これは「良性発作性頭位めまい症」で行う体操で耳石を正しい位置に戻す為に行いますが、

頚性めまいの場合は首を回したり上を向いたりすると筋肉が収縮して更に血流が途絶えるので注意が必要です。