怪我をしたらまず冷やす 〜正しいアイシングの方法と注意点〜
スポーツ障害
2026年5月4日
🤕先日、階段踏み外して転んでしまい、肘を痛めた患者さんが来院されました。
検査を行ってとりあえず骨折はなさそうでしたので、治療を行い、ご自宅でのアイシングをお願いしました。
春になり大会などで活動が増え、それに伴いケガをする方が増えています。捻挫・打撲・肉離れなど、ケガをした直後は「アイシング」がシンプルですがとても重要なケアです。ただし、やり方を間違えると凍傷になることもあります。今回は、正しいアイシングの手順と注意点をご説明します。
🧊 なぜ怪我を冷やすの?
ケガをすると、体の中で炎症反応が始まります。患部が熱を持ち、腫れ、痛みが出るのはこの炎症のサインです。
この炎症反応は体が治ろうとする自然な反応ですが、冷やすことで血管を収縮させ、腫れや痛みを抑えることができます。早めに適切なアイシングをすることで、回復を早める効果が期待できます。
また、ハンティング・ルイス反応(Hunting-Lewis reaction)という体のしくみを利用します。
💡 急性の炎症反応は怪我をしてから約72時間(3日間)続くとされています。この期間は特にしっかりケアを続けることが大切です。
(ちなみに炎症には急性炎症と慢性炎症があります)
🛍️ 用意するもの
- 氷のうまたは保冷剤
- タオル(肌への直接当てを防ぐため)
⚠️ 保冷剤は氷のうに比べて温度が低くなりすぎることがあります。必ずタオル等に包んで使用してください。
📋 アイシングの正しい手順
🔹 ステップ1:準備
- 氷のうや保冷剤をタオルで包む
- 直接肌に当てないよう注意する
🔹 ステップ2:患部を冷やす
- 患部にアイシング用具を当てる
- 感覚がなくなるまで冷やし続ける(目安:15〜20分)
- 冷やしている間はしっかり当て続ける
🔹 ステップ3:休息をとる
- 感覚がなくなったらアイシングをやめる
- 最低2時間は休ませてから次のアイシングを行う
- これを繰り返すことで継続的にケアができる
💡 「感覚がなくなる前にやめる」「2時間も待てない」となりがちですが、このサイクルを守ることで凍傷を防ぎながら効果的に冷やすことができます。
🖊 感覚の変化を知る「CBAN」
アイシングを始めると、感覚は以下の順で変化します。「N」の無感覚がアイシング終了のサインです。
❄️Cold(冷たい)
↓
🔥Burn(灼け付くように痛い)
↓
🤕Ache(ズキズキ痛む)
↓
😑No sense(無感覚)
⚠️ 凍傷(とうしょう)に気をつけましょう
冷やしすぎると、皮膚が傷つく「凍傷」を起こすことがあります。次のことを必ず守りましょう。
- タオルなどを間に挟んで直接肌に当てない
- 感覚がなくなったら必ずやめる(冷やしすぎない)
- 次のアイシングまで最低2時間あける
- 肌の色が白や紫に変わってきたらすぐに中止する
🔄 いつまで続ければいい?
怪我の急性炎症は一般的に約72時間(3日間)続きます。この期間は集中してアイシングを行うことが大切です。
腫れや熱感、痛みといった炎症のサインが消えるまで、アイシング→2時間休息のサイクルを繰り返しましょう。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 1回のアイシング時間 | 感覚がなくなるまで(約15〜20分) |
| 次のアイシングまでの休息 | 最低2時間 |
| 集中ケアの期間 | 怪我から約72時間(3日間) |
| 終了の目安 | 腫れ・熱感・痛みが消えたとき |
✅ まとめ
ケガの直後は「感覚がなくなるまで冷やす→2時間休む」を繰り返すことが基本です。凍傷を防ぐためにタオルを間に挟み、肌への直接当てを避けることが大切です。
急性炎症が続く約3日間はしっかりケアを続け、腫れや痛みが引いてきたらアイシングを終了してください。正しいアイシングで、早期回復をサポートしましょう。ご不明な点はお気軽にご相談ください。
アイシングを正しく行えるように、当院を受診しアイシングが必要な方には、手順をまとめた用紙を差し上げています。
📚参考資料 当院研修会資料




