「めまい」の種類と原因を解説 ~グルグル・フワフワ・長引くめまいの違いとは?~
交通事故治療自律神経の不調首・肩の痛み
2026年4月19日
最近施術中に相談の多い「めまい」について取り上げます。めまいには複数の種類があり、原因によって対応がまったく異なります。そこで今回は、めまいのタイプ別に原因と特徴をご説明します。
一言で「めまい」といっても、その原因は耳の問題、血流の問題、首の問題、脳の問題、ストレスなど、さまざまです。「どんなめまいか」を知ることがとても大切です。
🌀 ① グルグル型(回転性)
まわりの景色がぐるぐると回って見えるタイプです。吐き気を伴うことも多く、耳の奥(内耳)の異常が原因であることがほとんどです。
💠 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
耳の奥にある「耳石(じせき)」という小さな粒が本来の場所からはがれ、三半規管(バランスを感じる部分)に迷い込むことで起きます。頭を動かすたびにグルグルするめまいが出るのが特徴で、めまいの中で最も多い原因です。
- 頭の位置によってグルグルするめまいが起こる
- めまいは数十秒〜数分で治まる
- 耳鳴り・難聴はない
- エプリー法(頭の向きを変える処置)で改善できることが多い
- 治療:抗めまい薬(メリスロンなど)、吐き気を抑える薬(プリンペラン)
💠 メニエール病
耳の中のリンパ液が増えすぎて内耳が「水ぶくれ」のような状態になります。激しいめまい・耳鳴り・難聴が繰り返すのが特徴です。ストレスや睡眠不足が悪化のきっかけになりやすいです。
- 回転するめまいが数十分〜数時間続く
- 耳鳴り・難聴がある
💠 前庭神経炎(ぜんていしんけいえん)
ウイルスなどでバランスを感じる神経が炎症を起こします。突然の強いグルグルめまいと吐き気が数日続くのが特徴で、耳鳴りや難聴はありません。
- 突然発症し、数日〜数週間続く
- 耳鳴り・難聴はない
💡 グルグル型は主に耳(内耳)の異常が原因です。「耳鳴りや難聴も一緒にある」場合はメニエール病、「頭を動かしたときだけ」起きる場合はBPPVの可能性が高いです。
🌊 ② フワフワ型(浮動性)
地に足がつかない感じが続くタイプです。脳への血流の低下や首の問題が原因になることが多いです。
💠 起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation) 通称:OD
急に立ち上がったとき、血圧の調整が間に合わず一瞬だけ脳への血流が不足します。立った瞬間にクラッとするが、数秒で回復するのが典型的なパターンです。
- 立ち上がり時のみ起こる
- 自律神経の乱れで起こる
- 思春期の学生に多い
- INOHやPOTSなどさまざまなタイプがある
- 昇圧剤(血圧を上げる薬)や体内の水分や血液の量を増やす薬などが処方される
💠 椎骨脳底動脈循環不全
加齢による動脈硬化や骨の変形で首の血管が圧迫され、脳の後ろ側への血流が低下します。首を動かしたときにめまいや吐き気が出るのが特徴で、中高年の方に多いです。
当院では簡便な検査として「ジョージズテスト」を行い椎骨動脈の循環不全がないかチェックし、眼振やめまいがあった場合には頚部への治療は慎重に行います。
🖊ジョージズテスト(脳血管頭蓋頚椎機能テスト)
首を上を向いて左右どちらかに回して30秒ほどキープ→めまいや吐き気、眼振が起こると脳血管障害が起こる可能性があるので注意。
- 首を動かすとめまいが悪化する
- 左右2本ある椎骨動脈が後頭部で脳底動脈となり脳へと血流を送るため注意が必要
- 椎骨動脈解離を起こしていると危ないのですぐに病院を受診する
- 後頭部にある環椎後頭靭帯(後小橋)や斜環椎後頭靭帯(外小橋)という靭帯が石灰化していると、椎骨動脈を圧迫しやすい

💠 頸性めまい
長時間のデスクワークやスマートフォン使用による首の筋肉のこりや姿勢の乱れが、首の神経・血管に影響してめまいを引き起こします。肩こり・首こりと一緒にフワフワしためまいが出る方に多く、施術やリハビリで改善しやすいタイプです。
- 肩こり・首こりと一緒に出ることが多い
- デスクワーク・スマホ使用が多い方に多い
- 筋肉を緩めるような施術で改善しやすい

💡 フワフワ型は「立ち上がりのみ」なら立ちくらみ、「首を動かすと悪化」なら首の血管や筋肉が関係している可能性が高いです。
💭 ③ PPPD
めまいが3ヶ月以上続いているのに、耳にも脳にも異常が見つからない場合は「PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい)」の可能性があります。
💠 PPPD(Persistent Postural Perceptual Dizziness) 持続性知覚性姿勢誘発めまい
2017年に国際神経耳鼻学会で定義されためまいです。
過去に強いめまいを経験したことへの不安・ストレスが、脳の「バランス感覚の処理」に影響し続けることで、慢性的な揺れ感・フワフワ感が残ってしまいます。「気のせい」ではなく、脳が誤ったバランス情報を出し続けている実際の病気です。
- 3ヶ月以上フワフワ・揺れる感じが続く
- グルグル回る感じはない
- 朝より夕方に悪化しやすい
- 人混み・スーパーの棚・動く乗り物で悪化しやすい
- 40〜60代の女性に多い
- 交通事故などの外傷の後
- 治療:SSRIと呼ばれる抗うつ剤 (ジェイゾロフト、パキシル、レクサプロ、ルボックスなど)
💡 「病院で異常なしと言われたのにめまいが続く」という方は、PPPDの可能性があると思います。近年定義されためまいでまだあまり認知されておらず、また自然に良くなることも少ないため、適切な治療が大切です。
🚨 危険なめまいのサイン
次のような症状がめまいと同時に起きた場合は、脳梗塞・脳出血などの重大な病気の可能性があります。すぐに救急病院を受診してください。
- ろれつが回らない・言葉が出ない
- 顔・手・足の片側がしびれる・動かしにくい
- 物が二重に見える・視野が欠ける
- 今まで経験したことのない激しい頭痛
- 簡便な検査としてFAST(Face:顔,Arm:腕,Speech:言葉,Time:時間)がある
⚠️ これらの症状は短時間で治まっても、後で大きな発作が起きる前触れであることがあります。「少し休んだら治った」と様子を見ずに、医療機関を受診してください。一時的なものをTIA(一過性脳虚血発作)と言い、この症状が出ると脳梗塞が起こる可能性があります。
📋 めまいのタイプ早見表
| タイプ | こんな感じのめまい | 主な原因 |
|---|---|---|
| 🌀 グルグル型 | まわりが回る・吐き気あり | BPPV・メニエール病・前庭神経炎 |
| 🌊 フワフワ型 | 地に足がつかない・船酔い感 | 立ちくらみ・首の問題・血流低下 |
| 💭 長引く型 | 3ヶ月以上ずっと揺れ感が続く | PPPD(脳の過敏) |
| 🚨 危険型 | しびれ・言語障害を伴う | 脳梗塞・脳出血など |
✅ まとめ
春はめまいが多くなります。めまいはひとくくりに語られがちですが、原因は耳・血管・首・脳・ストレスなど多岐にわたります。「どんなときに」「どんな感じで」「他にどんな症状が一緒に出るか」を把握することがとても大切です。
中には命に関わるめまいもありますので注意が必要です。
「肩や首の筋肉の張りと一緒にめまいが出る」方や「頭を動かすとめまいが出る」方は、施術やリハビリで改善できる可能性があります。お気軽にご相談ください。
📖参考資料 当院研修会資料




