「この足のしびれ、脳梗塞じゃないですよね?」──しびれの出方でわかる、原因の見分け方
腰痛・坐骨神経痛
2026年5月31日
先日、施術中に患者さんからこんなご質問をいただきました。
🙋🏻♀️「先生、この足のしびれ…脳梗塞から来てるものじゃないですよね?」
確かに、しびれは「何か怖い病気のサイン?」と感じる方も多いと思います。今回はそのご質問にお答えしながら、しびれの出方による原因の見分け方をわかりやすくまとめてみました。
⚡その患者さんのしびれは恐らく「腰」からでした
結論からお伝えすると、その方のしびれは坐骨神経痛によるものでした。腰から足へと伸びる坐骨神経が刺激され、足にしびれや痛みを引き起こしていた状態です。

「脳梗塞でもしびれが出る」というのは確かなのですが、しびれの出る場所・出方・左右差をよく確認すると、ある程度原因を絞り込むことができます。
🧐しびれの原因と、その「出方」の違い
1. 坐骨神経痛
腰から足にかけて走る坐骨神経が、椎間板ヘルニアや腰椎の変性などによって圧迫されることで起こります。
- 出方: 多くは片足に出る
- ただし例外あり: 脊柱管狭窄症の中でも「馬尾型」と呼ばれるタイプでは、両足にしびれが出ることがあります

「片足だから大丈夫」とは言い切れないので、しびれの範囲やきっかけも合わせて確認することが大切です。
2. 梨状筋症候群
お尻の奥にある「梨状筋」という筋肉が坐骨神経を圧迫することで生じます。
- 出方: 片足、お尻より下(太もも裏・ふくらはぎなど)にしびれが出る
- 注目ポイント: 生まれつき梨状筋が二つに裂けた形になっている方がいて、その場合は「総腓骨神経」という枝の神経が挟まれやすくなります。このケースでは膝の外側にしびれが出るのが特徴です

3. 閉塞性動脈硬化症
足へ血液を送る大腿動脈が、動脈硬化などによって狭くなったり詰まったりすることで、血流不足からしびれが生じます。
- 出方: 片足が全体的にしびれる。歩くと悪化し、休むと楽になる(間欠性跛行)が典型的
- 検査: この病気が疑われる場合、腕と足首の血圧を比較する「ABI(足関節上腕血圧比)」という測定を行います。値が低いほど血流障害が疑われます
治療院での施術の適応外となる疾患です。疑われる場合は専門医への受診をお勧めします。
4. 糖尿病性神経障害
長期間の高血糖状態が末梢神経を傷つけることで発症します。
- 出方: 両手・両足にしびれが出る。「手袋・靴下型」と呼ばれる独特のパターン
- 原因のメカニズム: 血中のブドウ糖から「ソルビトール」という糖アルコールが作られ、これが神経を包む「神経鞘(しんけいしょう)」に蓄積することで神経が傷むとされています
こちらも治療院での施術対象外です。内科・糖尿病専門医での管理が必要です。
5. 脳梗塞
脳の血管が詰まり、神経細胞にダメージが生じることでしびれが起こります。
- 出方: 片側の手足(手と足がセット)にしびれが出る
- 左右の関係: 脳は「反対側の体を支配する」という特徴があるため、右脳で梗塞が起きると左の手足に、左脳なら右の手足にしびれが出ます
- 注意: しびれだけでなく、ろれつが回らない・顔が歪む・力が入らないなどの症状が伴う場合は脳梗塞の可能性が高く、すぐに救急受診が必要です
治療院で対応できるしびれ・できないしびれ
| 原因 | 治療院での対応 |
|---|---|
| 坐骨神経痛 | ✅ 対応可能 |
| 梨状筋症候群 | ✅ 対応可能 |
| 閉塞性動脈硬化症 | ❌ 適応外・医療機関へ |
| 糖尿病性神経障害 | ❌ 適応外・医療機関へ |
| 脳梗塞 | ❌ 適応外・緊急受診を |
当院で施術をお受けいただけるのは、坐骨神経痛と梨状筋症候群です。それ以外のしびれについては、適切な医療機関へのご紹介をお勧めしています。
特に脳梗塞は、命に関わるケースもあります。「片側の手と足が同時にしびれる」「ろれつが回らない」「突然の激しい頭痛がある」などの症状があれば、迷わず救急車を呼んでください。
🖊️まとめ
しびれは「どこに・どんなふうに出ているか」で原因がある程度わかります。
- 坐骨神経痛・梨状筋症候群:片足(または両足)に出る。治療院で対応可能
- 閉塞性動脈硬化症:片足が全体的にしびれる。医療機関へ
- 糖尿病性神経障害:両手・両足に手袋・靴下型で出る。医療機関へ
- 脳梗塞:片側の手足がセットでしびれる。緊急受診を
一口にしびれと言ってもその原因は多岐に渡ります。残念ながら当院では対応できないしびれもあります。その場合はきちんと正しい情報をお伝えすることも私たちの大切な仕事だと思っています。
気になるしびれがある方は、ぜひ一度ご相談ください。




