むち打ち治療で注意する事

前回、むち打ちと言っても様々原因がありその一つである頸椎捻挫では本来深部にある小さな筋肉が損傷しているにも関わらず、それをカバーする為に表層の僧帽筋や胸鎖乳突筋、板状筋などの大きな筋肉に筋性防衛が働き張り感や痛みが出るとご説明しました。僧帽筋と板状筋は背部にあるので大丈夫なのですが、胸鎖乳突筋は首の前面にあるのでこの部分を施術する時には注意します。

首の前面にある大事なもの

迷走神経

迷走神経は10番目の脳神経で脳から出て大腸の横行結腸まで行っていて、胃腸の運動心拍の調整をしています。頭からお腹まで長くて迷走しているように見えるので迷走神経です。ここに超音波などで深部まで刺激が入ると反射が起きて気持ち悪さ動悸発汗などの症状が出たり場合によっては心拍数が減って(徐脈)失神が起きる可能性があります。これを血管迷走神経反射性失神と言います。当院では万が一があるので施術する際には必ずベッドに寝た状態で行います。

頸動脈小体

頸動脈の分かれる所にあって呼吸血圧を調節しています。

頸動脈小体⇒舌咽神経延髄⇒呼吸・血圧

星状神経節

頚部交感神経幹は上・中・下頚神経節からなり、下頚神経節と一番上にある胸部の交感神経節が合わさり星状神経節になります。整形外科でスーパーライザーを当てたり、ブロック注射をする所です。

腕神経叢

交通事故で痛みがあると肩に力が入り、肩をすくめるような感じになり肩甲挙筋が張ります。元々張りやすい筋肉でもあります。この筋肉は第一から第四頸椎の横突起(真横の出っ張り)に付着するので、ここをマッサージする時に少し前を押すと神経があり強く押しすぎるとしびれなどが出ます。また胸鎖乳突筋の後ろの縁から神経が中に入り込む所がありエルブズポイントと言います。ここも押されると痛いです。