ずっと座ってると腰が痛いのはなぜ?

本日来院された患者さんから

年末で帰省されたお子さんが「長時間座ってたら腰が痛い」と言っているのですがこれは何ですか?

と質問を受けました。

 

これは「椎間板」が影響している可能性があります。

椎間板とは?

椎間板とは背骨と背骨の間にあるクッションです。その構造はバームクーヘンの様になっていてその中心部にはゼリー状のものが収まっています。バームクーヘンは「線維輪」、ゼリーは「髄核」と言います。

ゼリーは水分を含んでおり、若い人の方がみずみずしく年齢と共に水分は抜けて行きます。(加齢で身長が縮むのはこの為です。)

なぜ椎間板が痛いの?

椎間板自体は痛くありませんが、ゼリーがバームクーヘンの層を突き破って(あるいは内側から圧迫して)神経に当たると腰痛が起きます。また場合によっては坐骨神経痛も引き起こします。

座っていると椎間板が膨れてくる?

「椎間板」というものに関して学者の方が2つの考え方を示しています。その1つが前屈みになると椎間板が後ろに押し出されるというものです。

座っている姿勢は体を前屈みに曲げているのと同じ状態ですので椎間板が膨れてきます。またこの椎間板の特徴として「持続圧に弱い」という性質があります。一度前屈みになるのはさほど影響がありませんが、ずっと座っていると椎間板がじわじわと膨れてきます。ですのでこのような状態になりやすいデスクワークの方や長距離ドライバーなどは椎間板が原因の腰痛が多いです。

さらに今回の質問者の方はまだ若いので椎間板はまだまだみずみずしい状態だと思われますので、椎間板は膨れやすいと推測できます。

椎間板が膨れてきたらあるサインが出ます

そのサインとは「せきやくしゃみをすると響く」というものです。これを専門用語で「バルサルバサイン」と言います。せきやくしゃみで腹筋を使うと腹圧が上がり椎間板が膨れやすくなりますので、膨れたところにさらに圧がかかり腰が響きます。

自分で出来ることは?

椎間板の体操は本やネットなどでたくさん出ているのでご存じの方も多いと思いますが、「マッケンジー体操」や「これだけ体操」などがあります。

どちらも腰を反って椎間板を中に押し込むという体操です。詳細はご確認下さい。