鍼灸治療による「下行性疼痛抑制系」

鍼灸治療がどのような理由で効くのかですが、脳で痛みを止めるメカニズムである「下行性疼痛抑制系」が働くと考えられています。

実験で脳のある部位を刺激することで痛みが抑えられ、その後どの部位が鎮痛に関係しているかが分かってきました。その仕組みを、脳から脊髄に向かって下に降りながら痛みを抑制するメカニズムなので「下行性疼痛抑制系」と名付けられました。

 

この下行性疼痛抑制系は2つの経路をとります。

1,中脳の「中脳中心灰白質」から始まり、橋の「青斑核」を通り、脊髄でノルアドレナリンを放出

2,中脳の「中脳中心灰白質」から、延髄の「延髄腹内側部」を通って脊髄でセロトニンを放出

1970年代に中国で鍼麻酔による手術が行われ、その後そのメカニズムを解き明かそうと様々な研究が行われ分かってきたそうです。