しびれの原因

しびれの原因と言うと神経だと思われる事が多いのですが、実はそれだけではありません。

比較的よく見られるものとして、血行不良によるものと糖尿病によるものがあります。

血行不良の場合

動脈硬化が起きていると血管が狭くなったり詰まってしまい、血液が運ぶ酸素や栄養分が少なくなりそれがしびれの原因となる事があります。

特に起きやすいのが足の血管でこれを「下肢閉塞性動脈硬化症」と言います。

下肢閉塞性動脈硬化症では歩行していると痛みやしびれが起きて、少し休むとまた歩けるようになります。

これを「間歇性跛行」(かんけつせいはこう)と言い、脊柱管狭窄症でも同じ様な症状が現われるので鑑別が必要になります。

見極めるポイントは?

問診でコレステロールの値が高い事を患者さん自身が把握していたり、薬を服用していれば分かりますがそうでは無い時もあります。

そのような時は次のポイントを診ます。

1.腕の血圧と足の血圧の比率から見極める

足首の所の血圧を腕の血圧で割ります。(ABI)

通常は足の血圧の方が高いので1.0以上になりますが、0.9を下回ると下肢閉塞性動脈硬化症の可能性が高まります。

2.足の色を見る

動脈硬化が進み血液の供給が十分でないと皮膚も段々黒ずんできます。

動脈硬化が進んでいる方ほどよく分かります。

3.アキレス腱の太さを見る

コレステロールがこの部分に溜まる為太くなっていきます。

これを「黄色腫」(おうしょくしゅ)と言い、通常は6㎜くらいですが、9㎜を超えると動脈硬化が疑われます。

4.黒目の周りに輪っかがかかっている

これは「角膜輪」(かくまくりん)という症状で黒めの周りに白っぽい輪っかがかかります。

その他に動脈硬化になりやすい人は?

動脈硬化の危険因子には次の様なものがあります。

1.高血圧

血管にかかる圧が高いので、血管の壁を傷つけやすくなります。

2.糖尿病

LDL(悪玉コレステロール)がブドウ糖とくっついてそれが血管の壁に侵入します。

3.喫煙

4.メタボリックシンドローム

5.男性

女性は女性ホルモンが悪玉コレステロールが増えるのを抑えてくれます。

しかし閉経後は女性でも悪玉コレステロールの値は上がりやすくなります。

 

脂質異常症の診断基準

空腹時の血液検査で調べます。

1.悪玉コレステロール(LDL)・・・140㎎/dL以上

2.善玉コレステロール(HDL)・・・40㎎/dL未満

3.中性脂肪・・・150㎎/dL以上

この3つの中で1つでも該当すれば「脂質異常症」と診断されます。